どうもぱんこです☆
以前のこのブログで医療費が大変であることは紹介させていただきました。
今回は患者さんが薬を飲み残してしまうことがいかに深刻であるかをお話したいと思います。
医療費の面で言えば、患者さんの飲み残したお薬の問題を解決すれば厚生労働省では100億以上から数千億の医療費が削減できると見込んでいます。
患者さんが入院なさる際に、今飲んでいる薬をぱんこの働く病院では持参いただいています。
するとすごい数の飲み残した薬をもってこられます。
飲み残しに関する原因と対策をお伝えします。
【目次】
飲み残しに関する原因
医師の目の前でいい患者さんを演じる
医師👨⚕️「Aさんこの前お薬だしたけどきちんと飲んでますか。」
患者👵「先生きちんと飲んでるよ。なかなかよくならないですね。」
医師👨⚕️「そうですか。大きな病気になるといけないので1つお薬を追加しましょうね。」
実際患者さんはちょくちょく飲み忘れをしているのですが、医師の前ではきちんと飲んでいると伝えることが多々あります。
そうなるときちんと飲めていれば必要のなかった薬が追加されます。
そのせいで副作用がでる可能性は増え、医療費は増えてしまいます。
きちんと飲めていなかったことをごまかしてしまうと、防げるはずだった大きな病気(心筋梗塞・脳梗塞など)を発症してしまう可能性があります。
例えば糖尿病の治療薬でも週に1回で済む治療薬があります。
正確にお伝えいただいくことでその方にあった最善のお薬が選択できるのです。
食後の薬だから飲まなかった
これはぱんこが尊敬してやまない医師とともに訪問診療に行ったときの話です。
医師👨⚕️「ぱんこくんBさんの血圧がなかなか下がらないんだよね。」
ぱんこ🐼「これは薬飲めてない可能性が高いですね。」
ぱんこ🐼「Bさん何かお困りですか。お薬飲みづらかったりしてませんか。」
患者👴「朝は食事取らないから薬を飲んでないよ。」
ぱんこ🐼「この薬は食べ物の影響はないので食事とってなくても飲んでくださいね。」
けっこうこの食後という文言があるせいで薬をどうするのか迷うことはよくあるようです。
妻からも子供に薬を飲ませるときにごはん食べていなくてどうしようと言われることがあります。
食事に影響を受ける薬でなければ飲んでも問題ありません。
かえってそれを気にしてきちんと飲まないことが問題になることが多いのです。
食事を取らない場合はとらないから薬を飲まないのではなく、自分自身の習慣を医師、薬剤師に伝えてください。
医師がエビデンス(根拠)にこだわりすぎる
医療の世界では同じ効き方の薬が数種類あるときに治療成績がよかった新しい論文がでたものを使う傾向があります。
根拠のある薬を使った方が患者さんにメリットがあることは間違いないです。
しかし、根拠のレベルは高いけど1日2回確実に飲まないといけない薬Aと根拠は薬Aに若干劣るものの1日1回でいい薬Bの場合どうでしょうか。
飲み残しが多い患者さんの場合、薬Aでの治療が向いているとは思えません。
薬Bの場合、朝に飲むようにしておいて大事な薬なので忘れたら昼でもいいので絶対のんでいただくということもできます。
また医療の研究は常にされていて、数ヶ月後にBの方がAより治療成績がいいという論文がでることも多々あります。
薬の飲み残しへの対策
一包化調剤
これは1回分ずつを1つに包装してしまうというものです。
これは日本で開発された誇るべき方法です。
どんなに優れた薬を開発しても飲んでもらえなければ意味をなしません。
今、ヨーロッパでも患者さんに薬をいかに飲んでいただくかの研究が盛んで一包化調剤を行なっています。
一包化調剤のためのmade in Japanの機械が世界で使われているのです。
メリットは飲み忘れにくくすることですがデメリットもあります。
デメリット
①お薬調整の手間賃が発生
上記で示す通り、日数に応じた手間賃が発生します。
病院に入院中に一包化は手間賃いただいていません。
外来の際に費用がかかります。
外来ではすでに病院の診察で相当待たされた患者さんが薬局にやってきます。
この方法はけっこう確認に時間がかかります。
外来で患者さんをお待たせする時間をなるべく減らしつつ、間違いがないかを1つずつ確認するための手間賃だと思ってください。
またこの方法はきちんと飲めない人のためのものなのでみんながこれがいいとしてしまうと医療費の増加になります。
しっかりと管理のできる方は通常のお薬の渡し方でお薬をお渡しします。
②湿気や光に気を使う必要がある
この方法はお薬をシートからだしてしまっているので湿気や光に弱くなります。
お薬の内容や処方された時期(梅雨時期など)によっては管理方法の工夫が必要です。
湿気の対策は大きめのお菓子の缶に薬と乾燥剤を一緒入れる方法を行なってみてください。
個人的にはお薬入れる缶は形、大きさ、丈夫さのバランスからもち吉さんのをおすすめしています。
飲んでいるお薬が多いなら大缶がおススメです☆
お孫さんがせんべいを食べて、祖父母に缶をあげてください。
お薬飲んでいる数、種類を減らす
飲んでいるお薬が多すぎて、きちんと飲めていないことがあります。
お薬の数を減らすのに数種類のお薬を1錠にまとめた配合剤に変えるといった方法があります。
また薬の数が多すぎることで副作用を起こし、その副作用を治療するための薬が追加されることがあります。
病気の状態にもよりますが、他のその病気の治療薬に変更することで、お薬が追加されるのを防げることもあります。
ここで問題となってくるのがいくつかの診療科をまたいで受診している場合です。
医師は自分の専門分野でない薬で副作用がでている場合、その薬をだしている専門医に意見するのは気をつかっている状況が多々あります。
そのときは、医師たちの橋渡し役として薬剤師を使ってください。
薬剤師には疑問を思った内容については医師に確認をしなければお薬を渡してはいけないという法律があります。
お時間はいただきますが、あなたにとって最適な薬になるようにします。
余ったお薬で日数調整
飲めずにに余ったお薬については病院、薬局に持参なさってください。
持ってこられたお薬の保管状況がわからない以上ご返金はできませんが、その余り具合を確認して今回処方するお薬の日数を調整します。
また持参いただくことで飲めていないタイミングを確認することができます。
昼が飲むのが苦手なら、ほかに治療の選択肢がある場合1日3回のむ薬から変えてしまえば解決します。
まとめ
お薬の飲み残しがいかに重要なことであるかを今回はお伝えしました。
医療費の件に関してもですが、飲み残しは大きな病気の発症につながるおそれがあります。
ご自身の状況を医師、薬剤師に正確に伝えてあなたにとって最適な治療をみつけましょう。
薬を減らすことは医療者もしっかり勉強が必要です!
下記の本を参考にしてみてください☆
以上ぱんこでした!
またお会いしましょう🐼